通信業界における企業弁護士の業務内容

通信業界における企業弁護士のお仕事とは?

バーカウンターの上の赤いカクテル通信業界における企業弁護士の業務は、技術革新と規制緩和により急激に拡大中です。
そもそも通信事業は、電力やガスと並んで公益事業であり、国家の主権とも密接に関わる分野であることから、かつては政府による強い事業統制が働いていた業界です。
ところが、1985年の通信自由化と規制緩和の流れで新規参入業者が激増し、かつインターネットや携帯電話の普及などの技術革新により、以前にはなかった多様なサービスやビジネスモデルが生み出されました。
これに伴い、新たな法的課題が多く発生しているのが、通信業界の現状です。

激動の通信業界では法務部門の知識が不可欠

従来、政府規制業界であったため、この業界の社内では、法務担当より渉外担当の役割が重視されており、企業弁護士は他業界に比べてまだ少ないのが実態です。
それでも、新しいビジネスモデルの構築などに積極的な新規事業者の中には、積極的に弁護士の雇用を図るケースも出てきています。

弁護士は最新の判例とトラブル事例を学びながら経営をサポートします

さて、通信業界に籍を置く企業弁護士の業務に特徴的なのは、通信の秘密を保護する大原則を踏まえつつ、インターネット上でのプライバシー権、著作権、名誉権などの侵害に対応するプロバイダ責任制限法を熟知し、バランス感覚のある対応が求められることです。
その上、個人情報保護法など情報セキュリティに関する知識も、通信事業者にとっては非常に重要ですから、言わずもがな深い知見が求められることになります。
個人情報の漏洩事件などを起こせば、即時に会社の信用失墜に直結するためです。

新しい業界のガイドラインの策定にも関与していきます

さらには、知的財産権やサイバー関連法などの先端の法的分野については、この業界の弁護士は各事案の対処に当たるだけでなく、業界ガイドラインの形成などにも寄与することが求められています。
そのような意味で、業務の守備範囲は、かなり多岐にわたると言うことができます。
次に、この業界における企業弁護士に求められる能力は、先例がない法的課題についても、コンプライアンスや法的リスク、ビジネス面でのメリットを勘案しながら、最適解を導き出せる全体俯瞰力・創造力であると言うことができます。
規制に関する機関や通信業界の他企業、メーカー、顧客など、多様な当事者に向き合って、粘り強い交渉を行うのも重要な役目であり、優れた調整力が求められます。
また、海外事業者との契約を取り扱ったり、海外の競争法・通信法などを調査したりする業務も多いですから、一定以上の英語力に加えて、英米法の知識が必須になります。
今後の展望を考慮すると、中国語能力や中国法の知識も求められるようになってくる可能性が高いです。